鋼球を用いた円筒形工作物支持法
（ボールセンタ）
目 次
ボールセンタとは？
ボールセンタの使い方
参考文献
ボールセンタとは？
円筒面形状部品は工業製品の中でも特に多く用いられ，またより高い精度が必要とされます．このような円筒部品の精密仕上げ加工や精密計測では，両デッドセンタ支持法が一般的に用いられています．
従来の円すいセンタでは，センタ穴の形状精度やセンタのミスアライメントおよび接触状態等が回転精度や加工後の形状精度に大きく影響してしまい，より精度を向上させることは困難でした．
本研究では，高精度で廉価な軸受け用鋼球を使った
ボールセンタ（図参照）
を用いることにより，上述の誤差に影響されずに高精度な加工や計測が可能なことを明らかにしています．
円筒研削におけるボールセンタの使い方
ボールセンタを使う上で難しい点はほとんどありません．
２，３の注意点に気を付ければ，いとも簡単に高精度な真円度（サブミクロン）を得ることが出来ます．
準備するもの
汎用の円筒研削盤（デッドセンタ支持のもの）の他に下記のものが必要です．
鋼球（ボール）
センタシャンク
工作物
使い方
心押し力
工作物回転数
潤滑油
その他
よくある質問
工業所有権について
ボールセンタの工業所有権（特許等）はありません．だれでも自由に使用することが出来ます．
ただし，このホームページの内容を無断で他の文献に転載する事はご遠慮下さい．
またボールセンタを使用して，好結果が得られた時，あるいは問題が生じた場合は
当研究室
までご報告下されば幸いです．
参考文献
ボールセンタについての一連の研究は，大岩が長岡技術科学大学大学院久曽神研究室在学中および助手在籍中に行ったものです．
久曽神 煌，小川 和典，豊山 晃：
円すいセンタとボールセンタによる円筒研削の比較
精密機械，51,5(1985)1047-1052.
久曽神 煌，戸高 良二，豊山 晃
鋼球を用いた精密円筒研削
精密工学会誌，53,3(1987)444-448.
大岩 孝彰，久曽神 煌：
ボールセンタを用いた精密円筒研削（第１報）
―接触剛性について―
精密工学会誌，54,2(1988)408-413.
大岩孝彰，久曽神 煌：
ボールセンタを用いた精密円筒研削（続報）
−鋼球の摩耗の影響−
精密工学会誌，58,8(1992)1375-1380.
Takaaki OIWA and Akira KYUSOJIN :
Development of a precise cylindrical grinding by ball centers
- Effect of dynamic stiffness on work profile -
Precision Engineering, 14, 4 (1992) 237-242.
Takaaki OIWA and Akira KYUSOJIN :
Study of cylindrical grinding using ball and cone centers :
static and dynamic characteristics of cone and ball center systems
Precision Engineering,17,1(1995).
大岩孝彰，久曽神 煌：
センタとセンタ穴の形状が工作物の回転精度に及ぼす影響
日本機械学会論文集（Ｃ編），60-573, (1994)1843-1848．
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久曽神 煌，小川 和典，豊山 晃：