研究紹介
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伝熱促進構造体の開発
機器の小型化,高発熱密度化にもとない,従来型の熱交換器では十分な放熱ができなくなってきている.そこで,多孔質構造に注目し,局所体積平均理論および最適化理論より,伝熱を促進する構造体の開発を行っている.
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海水資源の回収技術の確立
海水には塩だけでなく,リチウム,マグネシウム,ストロンチウムなど有用な資源が豊富に含まれています.そこで物質移動の観点から,特定のイオンのみを濃縮沈殿する技術を開発しています.既に,いくつかの鉱物の連続回収に成功しており,今後はZDD(Zero Discharge Desalination)に応用していく予定です.
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海水淡水化技術の高効率化
人が生きていくうえで水は必要不可欠です.しかし現在,世界は深刻な水不足に陥っています.そこで,当研究室では海水淡水化技術である逆浸透法(RO法)と電気透析法(ED法)の双方に注目し,それぞれの技術の効率化を検討してききました.逆浸透法ではエネルギー的に最も優れた運転条件を提案しており,一方で電気透析法では装置内に入れるスペーサー形状を最適化することにより限界電流値を大幅に増加させることに成功しました.
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都市気象モデルによる局地型気象予測
都市部での発熱密度の増加によるゲリラ豪雨の発生,山岳部における吹きおろしなどあわゆる地域で特有の気象現象が起きています.そこで数値シミュレーションを用いてその土地に合わせた気象モデルの再現をし,気象予測を行っています.
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狭窄レスの人工血管の開発
透析治療では、狭窄による血管の閉塞が大きな問題となることがよくあります。これまで、狭窄の発生を生理学的メカニズムで議論し、流体力学の観点から狭窄発生のメカニズムを説明してきました。これまでに得た知識を活かして、狭窄のない人工血管を開発しました。
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人工透析の理論的治療方針の決定t
現在の人工透析は患者のQOL(quality of life)が低く,近年,夜間透析,在宅透析,Online HDFなど新たな透析技術が登場により,改善が試みられています.しかし,これまで主流の血液透析とは治療条件が異なるため,各クリニックで異なる治療方針がとられていることがあります.そこで,物質輸送論より,人工透析器および人体内での毒素輸送を理論的に検討し,最適な治療方針を提案しています.
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科学に基づくコーヒー抽出技術の構築
コーヒーは身近な飲み物ですが,焙煎,挽き方,淹れ方でその味は大きく変化します.実は,コーヒー抽出は数百の挽き豆からなる複雑流動系の物質移動現象なのです.そこで,熱・物質輸送論および局所体積平均理論を駆使して,科学に基づくコーヒー抽出技術を構築しています.
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スケール抑制技術の確立
発電所,工場,ボイラーなど水を用いる配管には,水に含まれるミネラルが析出してしまい,伝熱性能の低下,流動抵抗の増加,さらには配管の閉塞に伴う機器の損傷が生じてしまします.これまで,薬品を使うことなく,スケールを抑制する技術を考案してきました.炭酸カルシウムスケールおよびシリカスケールに有用であることが確かめられており,現在はその高効率化を検討しています.
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微細藻によるオイルの生成
微細藻用の約10マイクロメートルのバイオプラントを開発し、高い生産性と省エネを実現しています。 特殊な生物反応容器を開発し、培養速度を飛躍的に向上させることに成功しました。いつの日か、このバイオプラントは世界の食糧とエネルギーの問題を解決するための鍵になるかもしれません。