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研究内容

crackopen

● 着目点 微視的な強度や破壊挙動の結果としてマクロな強度や破壊挙動が決まる

 複合材料や傾斜機能材料など微構造を制御した先進材料の開発や部材設計では,材料の機械的性質や強度特性が微構造の何に起因して発現するかを解明することが重要です.
 たとえば,日本刀は平安時代から日本固有の伝統技術で作られてきた工業製品で,日本刀の作刀技術と多重微構造が西洋の刀にはない「刀としての強さ」「マグナムにも負けない強靭さ」を支えています.日本刀の作刀技術は,機械工学でいう工業製品の「熱間鍛造」「熱処理」「表面改質」に応用されています.坂井田研では,機械工学の視点で日本刀の組織構造と残留応力状態を定量化することで,日本刀の強化機構を科学的に明らかにしてきた.
 また,人体の骨のような生体の疾病原因や予防法の解明では,
疾病を発現する生体構造や微構造因子は何かを特定することで,スポーツ選手の脊椎分離症が発症する原因を明らかにした. さらに,製鋼時やセメント焼成時に作業者の命を守る耐火れんがの健全性評価では,熱応力や熱衝撃,機械的負荷によって耐火れんがにき裂が入っても致命的な脱落が起きない構造(=耐スポーリング性を持つ構造)をモデル化することで,れんが全体の特異な弾性ヒステリシス挙動を定量化し,耐スポーリング性を高める構造因子の特定を行っている.

 研究室では,ミクロ特性とマクロ特性を間を結ぶ力学の確立を目指し,日々研究活動を行っています.対象材料は,鋼,セラミックス,生体材料等の多結晶材料で,注目するマクロ特性は,機械的性質や強度,破壊強度です.特に,機械工学の4力学では説明できない特異なマクロ特性に注目し,そのマクロ特性を発現するミクロ構造を抽出することで,所望のマクロ特性を有する先進材料をミクロ構造から創生できると考えています.

● 主な研究内容


1)
機械の力学を応用した先進材料や先端部品の評価

○機能性耐火れんがの弾性ヒステリシス挙動解析とメカニズム解明
○MA組織の有無が鋼の塑性変形挙動に及ぼす影響の解析
○レーザ局所焼入れによる硬化層形成メカニズムの解明

2)新しい測定法評価法による先進材料・部材の強度・信頼性評価

○電子線後方散乱回折法によるコットレル雰囲気の可視化
○レーザ局所焼入れによる硬化層深さの支配パラメータの抽出
○日本刀の表層強化メカニズムの解明
○cosα法の光学系を用いた日本刀表層の残留応力評価
〇2次元検出器を用いた粗大粒部の健全性と残留応力測定法の開発
○EBSD法によるベイナイト鋼の塑性変形挙動の評価


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更新: 2025-09-03