機械力学II (質問・要望に対する回答)

第3回: 10月18日分



提出してもらったミニテストに書かれていた質問・要望に対する回答です。


 確かに少々複雑ではありますが、大学受験の頃にはこれぐらいやっていたのでは?。


 夏休みって何? それって美味しいの?

 冗談はさておき、大学の教員としては夏休みもいろいろ仕事があって忙しいのですよ。今年は再試験の日程変更とか合って、特に大変でした。事務からのお達しでお盆のあたりは強制的に休まされるのですが、その前に必要な仕事を片付けないといけないので、逆にしんどかったです。


 えーーーっ、犬と猫、どっちも可愛いのになんで片方を除外しなければいけないんですか(花澤さんと杉田さんの演技がハマってますね)


 私は1期からハマっています(^^)。


 やはりDr.STONEは外せないですよね。他はと言うと・・・・・・、葬送のフリーレン、私は原作を知らないのですが、何か前評判がすごいので(録画はしてるんですけど、他の番組の消化で忙しくて、実は未だ見てない)。後は、陰実かな、第1期がムチャクチャ面白かったので。


  さて今回の小話です。今回も先週に引き続き、文系の人の悪口(笑)です。

 もう10年以上も前、ゆとり教育が始まる頃のことです。作家の曾野綾子女史は「私は二次方程式もろくにできないけれども、六五歳になる今日まで全然不自由しなかった」と言い、その夫君で当時教育課程審議会会長であった三浦朱門氏は、彼女のような数学嫌いの委員を半数以上含めて数学の教科内容を厳選する必要があると、発言しました。
 ちょっと待ってください。世の中には文学とは無縁でも何も不自由せず、文学など無用の長物だと考えている人もいることでしょう。そういう人たちに国語の教科内容を決めさせたらどうなることでしょう。彼らの論法をすべての科目に適用したら、学校で教えなければならないことは何も残らないのでは・・・・。

 私も学生時代は皆さんと同じように材料力学・流体力学・熱力学・機械力学と一通り習いました。しかし現在、流力・熱力の知識を使うことはほとんどありません。では、流力・熱力は私にとって無用の学問だったのでしょうか?。実はそうではありません。私が現在流力・熱力の知識を使うことがないのは、学生時代に流力・熱力が苦手だったためにそちらのほうの研究室には行かなかった、そのことに起因します。つまり、流力・熱力という学問の問題ではなく、私の選択の問題なのですね。曾野・三浦両氏も、数学が嫌い(苦手)だったために、数学を必要とする職業に就かなかった(就けなかった)だけの話です。

 私は、勉強というものは自分の可能性を広げるものだと考えております。材料力学を勉強すれば、材料力学を必要とする仕事に就く可能性が広がる。流力・熱力を勉強すれば流力・熱力を必要とする仕事に、機械力学を勉強すれば……以下略。
 以前にあるテレビ番組でノーベル賞受賞者の江崎玲於奈氏が、チャンスが来たときに準備が出来ていないとそれを活かせない、と言うようなことを言っていました(途中から見たので、もしかすると他の人だったかもしれません、内容も少し違っていたかも知れません)
 皆さんが会社に入ったときにどのような知識が必要になるかは、わかりません。しかし、会社でプロジェクトが立ち上がったとき、そのプロジェクトに必要な知識・技術を身につけていなければそれに抜擢されることはないでしょう。必要になったときに勉強すればいい、では遅いのです。
 皆さんも、将来のチャンスに備えて、今から準備をしておきましょう。どれだけ準備をすれば十分なのかは、まったくわかりませんが。

 しかし振り返ってみると、私も苦手意識のために自分の可能性を狭めていたのですね。反省………………。

 

 昔、曽根氏の「弱者が強者を駆逐する時代」という本を、タイトルに惹かれて読んでみたことがあります。本の中には、キリスト教団体の関係で途上国を訪問したときの体験が語られ、今の日本人はこんなことも知らない、と息巻いていました。でも、その国に旅行に行かない人にとってはどうでも良い話ですね、彼女にとっての二次方程式と同じように。どうも彼女は、自分の体験のみを絶対視する人のようです。