機械力学I (質問・要望に対する回答)

第11回: 6月26日分



提出してもらったミニテストに書かれていた質問・要望に対する回答です。


 出来なかった人の大半が逆ラプラス変換のことろですね。ここはちゃんと部分分数分解するところがポイントなんですが、それが出来てない・やってない。確かに少々面倒ですが、この程度の計算は大学受験では普通にやっていたのでは?。


 これでどうでしょう?。pdfファイルの作り方を変えてみました。今まではソースネクストのいきなりPDFを使って(Adobeの純正品は高いので)直接パスワード付きのPDFファイルを出力していたのですが、OfficeでPDFを出力してからその後パスワードを付けてみました(これだとけっこう作業が面倒なんですけど)


 まぁ、よくあることですね。セーブやバックアップはこまめにやりましょう。


 そうなんですか。まぁ、紹介した本は5年前に書かれたものなので、状況はいろいろ変わっているかも知れませんね。その頃はChatGPTも無かったですから。


 実は私はガンダムUCはあまり好きじゃないんですよ。ユニコーンガンダムが、科学技術によって作られた兵器というより、エクスカリバーのような選ばれた勇者にしか使えない魔法の武器みたいな感じがして。ラプラスの箱の中身も、民主的に議論されて議決された憲章というより古(いにしえ)の賢者が残した予言といった扱いですね。剣と魔法のファンタジー世界も好きなんですが、変な風に混ぜるのは好きじゃありません。


 Dr.STONE、私も好きで見ていましたよ。分割2クールの後半の放送が待ち遠しいですね。


 さて、今回の小話です。

 以前に自動車の中でラジオを聞いていたら、育毛剤のCM、と言うかラジオショッピングをやっておりました。その中で、早ければ使った次の日に効果が実感出来るだの、景気の良いことを言っていました。そして最後に、この効果は○○学会の第○回○○講演会で正式に発表されました、と締めくくりました。
 さて皆さん、これを聞いてどう思いますか?。学会によって効果が認められたんだ、と思ったりしますか?。これには実は裏があったりするんですよ。

 学会での研究発表には2種類あります。一つは学術論文誌に論文を投稿すること。これは雑誌の編集部の指定する複数のレフリーによって投稿論文が厳しくチェックされます。内容に不備があると掲載されません。もう一つは、講演会での研究発表です。これは割と広く門戸を開放されていて、けっこう誰でも発表できるんですね。講演会によってはフルペーパーでちゃんと審査されるものもありますが、大抵は論文題目と簡単なアブストラクトを出すだけで、発表拒否されることはほとんどありません。だから、いい加減な内容でも、学会発表が出来ちゃったりするんですね。

 実際に私が見聞した例を紹介しましょう。あれは何年か前の機械学会の年次大会でした。プログラムを眺めていて偶然見つけ、時間が空いていたので面白半分で聴きに行きました。内容は、健康器具に用いる遠赤外線やマイナスイオンが人間に及ぼす影響に関するもの(当時はそれがブームでした)、発表者は健康器具のメーカーかその関係者のようでした。発表時間はわずか10分なのですが、遠赤外線を説明するのにニュートンのプリズムの実験から始めたのには、思わずのけぞりました。その後の内容も百科事典かネットを調べればわかるようなことばかり、肝心のオリジナルのデータが何もありません。発表の後5分の質疑応答です。会場から、効果を実証する具体的なデータはないのか、と当然の突っ込みが入ります。しかし、効果は確かにある、そのデータはある、それは3ヶ月ぐらい後にある別の講演会で発表する、と言うだけで暖簾に腕押し状態。5分すぎて、発表は完了です。その「別の講演会」には私は出席していないので、実際に実証データが発表されたかは、わかりません。で、この商品の効果は機械学会年次大会で正式に発表された、と言って宣伝してしたりするのかも知れませんね。

 と言うわけで、学会で発表されたかと言って、その内容に関して学会がお墨付きを与えた、などということは全然無いのですね。それを知らない一般の人たちは誤解してしまうかもしれませんが、業者達はそれを狙っているんでしょうね。

 誤解の無いようにお断りをしておきますが、私が言っているのは、学会(講演会)発表はお墨付きにならない、と言うことだけです。その育毛剤の効果については、私は専門外ですし、ラジオで聞いた以外に情報を持ち合わせていないので、否定も肯定もしません。