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Moball:エナジーハーベスティング機能を有する球形探査ロボット

ここ数十年の地球の気候変動・温暖化により極地環境に変化が生じている.極地で広範囲にわたるセンサネットワークを形成し,リアルタイムで氷厚・気候データ観測することで,現在よりも正確な気候変動予測が可能となる.そこで,センサを搭載したモバイルロボットを多数,極地に分散させ,センサネットワークを形成してリアルタイムでの直接状態観測を行うことを目的とした,探査ロボットの研究を,カリフォルニア工科大学(通称,Caltech)のJoel BurdickとFaranak Davoodiのグループと共に行っている.探査ロボットの動力源の一つとして,ソーラーパネルが挙げられるが,日照時間の少ない極地では不向きである.また,核燃料の反応熱を熱電材の高温源に用いた発電方式では有限で危険が伴う.これに対して,極地では一年を通して平均4〜6m/sの強風環境である.そこで,風力エナジーハーベスティング(自己発電,自然エネルギー回収)機能を有する球形ロボットMoballが提案され,当研究室では,そのアクチュエータ部を研究対象としている.

Moball構造Moball structure

下図にMoballの構造を示します.永久磁石とコイルからなるリニアジェネレータ/アクチュエータが3軸直交して配置されている.表面に各種センサを搭載し,多数のMoballを極地に送り込むことでセンサネットワークを形成し,環境調査を行うことが目的です.最大の特徴は,風力発電と運動制御が同時に可能な点です.風でMoballが回転すると,磁石が往復運動しコイルに電圧が誘起され発電が可能で,これをWind Energy Harvestingと言います.北極や南極では日照時間が短く,太陽電池では限界がありますが,季節・昼夜問わず常に風が吹いているため,Moballにとっては常にエネルギーの回収が可能な環境です.また,コイルに通電して各磁石の位置を能動的に変更することで,Moballの重心をずらして回転トルクを発生させ,これにより,進路の変更や静止状態の維持が可能となります.


Moball structure

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Caltechでの実験Moball rotation test at Caltech

これまでの研究実績は,2015年5月に発表した論文,および9月に発表した論文を参照してください.興味がある方は,以下の動画をご覧ください.



Moball Project's Demo at Caltech Campus (March 2015)

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