気泡を含んだ流れ


気泡発生制御技術(ミリ~サブミリスケール制御技術)
気泡を含んだ流れは産業界様々なところで使用されていますが,その気泡の発生を制御することは非常に困難です.我々は音響学的な観点から気泡の発生制御にチャレンジしています.

参考
城田農,真田俊之,荒田康弘,渡部正夫,亀田正治,「気体圧力変動を用いた単一サブミリ気泡発生法」,日本機械学会論文集B,73巻726号,pp.467-473,(2007).
Minori Shirota,Toshiyuki Sanada, Ayaka Sato and Masao Watanabe
"Formation of a sub-millimeter bubble from an orifice using pulsed acoustic pressure waves in gas phase"
Physics of Fluids, 20, 043301, (2008).
真田俊之,日本機械学会流体工学部門ニューズレター,2008年4月号.


気泡間相互干渉現象(相互作用力,合体・反発)
液体中を上昇する単一気泡に関する研究や,気泡流に関する研究はかなり広範囲に行われています.我々は,その中間,すなわち複数個の気泡が存在したときに発生する気泡間の相互作用や,さらに接近した際の気泡の合体,反発に関する研究を行っています.

参考
Toshiyuki Sanada
"Interaction and coalescence of bubbles in quiescent liquid"
Ph.D. thesis, Kyushu University, (2005). pdf (14.1MB)
Toshiyuki Sanada, Masao Watanabe and Tohru Fukano
"Viscosity Effects on Coalescence of a Bubble Impact with a Freesurface"
Chemical Engineering Science, vol.60-19, 5372-5384, (2005).
Toshiyuki Sanada, Ayaka Sato, Minori Shirota and Masao Watanabe
"Motion and coalescence of a pair of bubbles risng side by side"
Chemical Engineering Science, vol.64, 2659-2671 (2009).
Petr Stanovsky
"Hydrodynamic interactions of bubbles in liquids"
Ph.D thesis, Institute of Chemical Technology, Pragure, (2009).


気泡後流(フォトクロミック染料による可視化)
気泡の運動は,気泡自身が作り出すその後流に大きく影響されます.一方,液体中に不純物を入れても気泡の動きは劇的に変化してしまうため,クリーンな気泡の後流の可視化は非常に困難な作業です.我々はフォトクロミック染料を用いてクリーンな気泡の後流を観察することに成功しました.その手法を用いて,気泡運動と後流との関連を調査しています.

参考
真田俊之,城田農,小野友輝,渡部正夫,「フォトクロミック染料による気泡後流の可視化」,可視化情報学会論文集,Vol.27, No.7, pp.47-52, (2007).
Toshiyuki Sanada, Minori Shirota, Masao Watanabe
"Bubble wake visualization by using photochromic dye"
Chemical Engineering Science, vol.62-24, 7264-7273 (2007).
Toshiyuki Sanada, Keiji Sugihara, Minori Shirota and Masao Watanabe
"Motion and drag of single bubbles in super-purified water"
Fluid Dynamics Research, vol.40, 534-545 (2008).


単一気泡に働く定常抗力(気泡の変形の影響)
気泡は自由に変形できるため,その変形の影響の解析は,通常の物体周りの流れに比べてより困難になります.我々が独自に開発した,発生制御装置,クリーンバブル発生装置,後流可視化装置等を組みあせることで,研究を行っています.また数値解析を併用することでより詳細な物理の解明に挑みます.

参考
城田農,小野友輝,杉原慶治,真田俊之,渡部正夫,「フォトクロミック染料による気泡後部定在渦の可視化」,混相流研究の進展2,pp.125-132,(2007).
佐藤文香,城田農,真田俊之,渡部正夫,「単一気泡の形状と定常抗力」,混相流研究の進展3,pp.35-41,(2008).
Sato Ayaka
Deformation, wake and collision of rising bubbles
Ph. D. thesis, Kyushu University, (2009).


気泡流中の衝撃波の伝播(流体-固体相互作用を含む)
気泡流中を伝播する音波や衝撃波は通常の液体中や空気中に比べて特殊な振る舞いを示します.さらに比較的強い衝撃波が発生するような場合には,その固体壁面も変形してしまいます.このように管を変形させながら伝播する衝撃波について調査しています.