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空中で静止可能な再使用型観測ロケットの開発研究 |
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JAXAおよび静岡大学を含む国内の大学、メーカーによって構成されるワーキンググループにより、垂直に離陸したのちに高度100 km程度にまで上昇し、その後再び地上に戻ってくる垂直離着陸ロケットの開発が進められています。このロケットは上空で静止することができます。上空で静止することで気流の影響を受けずに大気の観測などができるというメリットが期待されています。 |
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これまでこのロケットのエンジンとして、液体酸素、液体水素を用いるロケットエンジンの使用が予定されていました。2019年、このエンジンを大気を利用するエンジンに置き換えるというアイデアが提案されました[1]。大気を利用するエンジンを用いることでミッションに必要となる燃料を大幅に削減しペイロードを増加させることができます。図1に提案するエンジンの構成を示します。このエンジンではAのガスジェネレータに液体酸素、液体水素を供給して燃焼ガスを発生させます。このとき、水素を過剰に供給し、燃焼ガスの温度を低く保ちます。この燃焼ガスを用いてBのタービンを回し、その動力で@のファンを駆動します。ファンで圧縮された空気は下流のC2次燃焼器でガスジェネレータを出た水素を含む燃焼ガスと混合し、再度燃焼します。この燃焼ガスを下流に排気することで推力を得ます。 |
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@ファン、Aガスジェネレータ、Bタービン、C2次燃焼器
図1 提案する大気吸い込み式エンジンの構成 |
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このエンジンはJAXAを中心とし、国内の大学、企業等と連携して開発が進められています。このワーキンググループでは開発中のエンジンを「ATRIUMエンジン」と呼んでいます。静岡大学ではC2次燃焼器の開発や、機体の空気力学的問題を解決するための研究を行っています。 |
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[1]小林弘明、大気利用による観測ロケット高度化(軌道投入)の検討、平成30年度宇宙輸送シンポジウム、STCP-2018-012、2019. |
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[2]Kobayashi, H. et al., Conceptual Design Study of a Vertical Takeoff
and Landing Airbreather, Journal of Spacecraft and Rockets, 2021 |
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図2 設計、製作した回転系(図1@〜B) |
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トピックス |
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・2022.8.17 ATRIUMエンジン第2回燃焼実験を実施しました. |
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2022年8月に液体燃料を用いたエンジンの統合燃焼実験を実施しました.実験にはJAXAをはじめ、室蘭工業大学、静岡大学、名古屋大学、帝京大学のメンバーが参加しました.ガスジェネレータで発生した高温水素ガスによりタービンを駆動し、さらに下流で空気と混合した水素ガスに着火し燃焼させました.今回は最長14秒の燃焼実験を実施しました. |
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燃焼実験中のATRIUMエンジン.3月の試験ではガスジェネレータでのみの燃焼でしたが、今回は下流の燃焼器にも着火しています. |
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・2022.3.1 ATRIUMエンジン第1回燃焼実験を実施しました. |
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2021年12月に降雪のため実施できなかったエンジンの統合燃焼実験を実施しました.実験にはJAXAをはじめ、室蘭工業大学、静岡大学のメンバーが参加しました.ガスジェネレータで発生した高温ガスによりタービンを駆動し、最長10秒の燃焼実験を実施しました.回転系はほぼ定格の回転数で作動し、目的のデータを取得することができました. |
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燃焼実験中の映像.燃料が水素のため、火炎はほとんど見えません. |
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・2021.12.25 ATRIUMエンジン燃焼試験のため能代実験場を訪問しました. |
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ファン、タービン、ガスジェネレータを統合した状態での燃焼実験を実施する予定でしたが、降雪のため断念しました.窒素ガスによる回転試験およびガスジェネレータ点火器の作動試験を実施しました. |
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テストスタンドに設置されたATRIUMエンジン |
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ファン流れとタービン流れを混合するローブミキサ.静岡大学が設計を担当. |
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・2021.11.8 ガスジェネレータの燃焼試験が実施されました |
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JAXAや名古屋大、室蘭工大のメンバーにより、ガスジェネレータの燃焼試験が実施されました. |
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